年上のおっちゃんにすごんだ話

2010年の夏だった。
私は28歳…20代か(遠い目)。
体は今より少し締まってた程度で、
安定のぽっちゃり昭和顔。
神奈川県相模原市に住んでいて、
部屋は駅から遠かったけれど
周りは木もあって、
わりとのどかで好きだった。





長くお世話になった
広告代理店を辞めて、
(本当もったいなかったなー)
下請けメインのちいさな倉庫会社で
事務員兼パート作業員として
働いていた頃。
電話をとったり、伝票をきったり、
ライン作業や箱詰めなどのお仕事。

限りなくブラックに近い
グレーな会社だったから、
たまにズル休みしたりもしたけれど、
(じゃないとアンフェア!)
学ばせていただいたことは、
いくつかあった。




そんな夏のある日、
クライアントである
大手電気メーカーの本社で
一日アシスタントをすることに。
お仕事の依頼書をくださる社員さんが
業務量多すぎで、てんてこまい。
ネコの手も借りたいほどで、
そのネコの手候補に私が挙がった、
ということらしい。



久々の神奈川県某政令指定都市。
お昼は社員食堂の定食が出るし、
飲みものも出るから
買ってこなくていいよ、ですって!





なに、そこ?楽園?





そんなわけで、二つ返事で受諾。
おじゃまします!宣言。
かくして、最初で最後の
大手電気メーカーへのプチ出張と
相成りました。





日にち、時間が決まり、
現地までの交通ルートを調べる。
シンプルにJR横浜線で東神奈川へ、
そこから
東海道本線か京浜東北線に乗り換えて
大きな駅に降り、
徒歩で御社へ向かえば良さそうだ。



それでいこう。



お天気、いいといいな♪




いざ、出発ー!




いつもより朝は早く起きて、
朝ごはんもしっかり食べた。

バスで最寄り駅まで行き、

通勤ラッシュの横浜線に乗り込む。





毎度、思うことだけれど、

毎日、毎朝、毎晩。

乗客が混みあう電車のなかで、

周りのことを考えながら

乗車している皆さんは

すごいことをしていると思う。

あたりまえかもしれないけれど、

後から考えてみたら、

結構すごいことしてたなぁ!

って思うような。

通勤、通学、事情はさまざま。

でも、私にはムリだもん。



広告代理店時代の通勤は、

早朝の電車に乗っていたし、

お仕事は土日祝日もだから

乗客はそんなに多くなかったんだ。


現場は関東のいろんな場所で

毎日同じところではない。

だから通勤もお仕事も

続けられたんだと思う。




そんなことを思い返しながら、

ドア側の座席横のスペースを陣取る。

そのあたり、ぬかりはない(笑)

この場所好きなんだよね。

一人で電車に乗るときは、

座れなければ、ここがいい。

ドア前にも人、人、人。




横浜線の上りは大体進行方向に

向かって左側のドアが開く。

私はほぼ終点まで乗る予定だったから、

あまり開かない

進行方向に向かって右側のドア、

7人掛けの横。

座席端っこのボードに寄りかかり、

携帯電話で占いを調べていた。




おじさんが乗ってきた。



そして、横浜線って、

結構揺れるポイント多くない?

私の記憶違いだったらすみません。


乗ってきたおじさんが

私の横にある

手すりを掴みたそうなので、

少し体勢を変えてあげた。

人がいっぱいだと、いろいろ大変。

こういうときは揺れに任せて、

しっかり手すりや吊革を掴む。

そのほうがいいのかもしれないね。




ところが、

座席のボードと手すりを掴んだ腕で、

私を挟むような体勢になり、

肘が私の胸に当たる。





ん?




いま、揺れてないけど。




いやいや、そんなわけない。




痴漢って、マンガに出てきそうな

大人しそうな女の子を狙うんだろ?




ポロシャツ、チノパンで

ナチュラルどころかほぼノーメイクの

私だよ?





ぽっちゃり昭和顔の、

アラサーのオバハンだよ?




といっても私だって

一応、生物学的には女性だ。

ぽっちゃり昭和顔だろうが、

アラサーのオバハンだろうが、

色気がなかろうが、

あるものはあるけど。





もっと、

可憐そうな女の子のほうが

内心興奮するんだろ?

やめてください…とか

囁くように言われたいんだろ?





ちょっと待て!

私が変態みたいじゃないか(恥)




きっとこれは思い違いだ。

(70%クロ!あと30%グレーなので)




電車が揺れてるからね、

あとで体勢を変えよう。





ということで、

次に電車が大きく揺れた瞬間に、

胸ごと全身を前に突き出し、

相手の腕と自分の体に隙間を作ると

「あ、失礼、すみませんね」

とおじさんに言い放ち、

私は思いっきり猫背になり、

胸の前で腕を組んだ。





トレイン・スポッティングか!




そんなわけで、

しばらくレントンのポーズで

やり過ごそうとした私だったが、

次の瞬間、あろうことか

痴漢が500%クロだと

決定づける出来事が起きた。




胸がダメなら下、じゃねぇよ!

バカ野郎!




なんと、おじさん改めジジイ!

JJIめが片手を伸ばして

私のスポッティングに

(チノパンのチャックらへんに)

指先を当ててきやがった!




カーン!









ゴングが鳴る。

レントンはJJIの手を掴んで

チャックらへんから離すと、

軽くメンチをきり、

JJIを睨みつけて言った。

(ヤンキーになりたかった地味子です)

「さっきっから、気持ち悪いんだよオッサン。」

もちろん、

周りに聞こえるか聞こえないかくらいの、

興奮する?囁くようなボリュームで。




「こんなブスなんか触るわけない?

コッソリ触ってたね。

バカにしてんじゃねぇぞ?

つくもんついてんだよタコが。」




JJIはむすっとした顔で

何も言わなかった。





否定も反論もしない。

クロってこういう反応もするんだね。

※あくまで私のケースであり、

痴漢全員が必ずこういうリアクション

とは限りません!




「警察に行く?どうする?もうしない?」




腕は離してやった。

そのあと、ずっと睨んでた。

JJIも私を睨んでた。





大人しそうに見えたのかな?

まさか、私がされるはずない!

とこじらせているとでも?

(ぽっちゃり昭和顔とは書くけれど

実は自分のことをブス、

と書いたことは一度もない)




JJIは気まずそうに

町田で降りて行った。




なんというか、

伊坂幸太郎の小説に出てくる、

冴えない主人公の男みたいな

気分になった。

振り絞った勇気が

これっぽっちなのか。

ヒーローにはなれないのか。

私も。





この後、

仕事でミスっちまえ、バーカ!

というか、リストラされちまえ!




なんて思いながら、乗り換えて

目的地に到着した。




道中の電車でそんなことがあったと

出張先の社員さんに話すと、

「大変だったね、いいのに。

遅れるって電話一本くれれば

駅員か警察にでも突き出せば

よかったんじゃないの?」

と笑ってくれた。




少し気持ちがラクになった。




そこからは気持ちを切り替えて

依頼をせっせとこなした。



お仕事は、朝の不快な体験を

かき消してしまうほど

楽しく、集中して、捗った。

処理や、入力や、カウントの

一つ一つが

面白くてたまらなかった。


お昼に食べた社食の定食も

とっても美味しかった!

郵送でうちの会社に送る部材も

受け取って持ち帰った。

もちろん、直帰せず

部材は会社に持って行った。

私はクリーンでいたいもん(笑)





せっかくの出張だったけれど、

やはり、遅刻してでも

警察に突き出すべきだったかな?




裁判とか、確かにめんどくさい。


どんな状況だったか、

どこをどうやって触られたとか、

どの位置にいたとか。

見ず知らずの大勢の他人の前で

再現しなきゃいけないんでしょ?

嫌だよ、そんなの。




だから、性犯罪って

なくならないんだろうけどさ。

本当、サービスを利用してくれよ。

って思う。


タダじゃねぇんだよ。

そして、タダっていうのは

プライスレスってことで。

プライスレスだからこそ、

大事にしなきゃいけないものがあるよ。




あーーーーー!





あんなんで警告になったかな?

きょうも、

どこかの可愛い女の子が

狙われていやしないだろうか?

泣き寝入りしてやいないかな?


もしかしたら、

ああいう警告なんか

慣れっこなのかな?

常習だったりして。





ありゃ、多分

しょっぴかれるまでやるだろうな。

とりあえず、勤め先まで尾行して、

週刊誌に売るとか、

やり方はいろいろあったね。




後悔、ホニャララ…




女性の皆さん、ごめん。

本当、気をつけてね。

愛のだいじょうぶし

いい事だけがハッピー? 頑張ったから報われる? そんなブログを書いています

0コメント

  • 1000 / 1000