年上のあんちゃんにすごまれた話

正義は勝つ、
なんて言葉は大嫌いだ。



正義は勝つとか、
悪いことはバチが当たるとか、
そういうことで計れない
道徳のお話。
勝ち負け、いいわるいではなく、
単に正義感は人一倍強い私が
いきしゃあしゃあと、
しゃしゃり出たって話なんだけど。






小学校に上がるかその前くらい。
地元の大型スーパーの屋上には、
プチ遊園地みたいな施設があった。
のっかってハンドル操作する
よつんばいの大きなぬいぐるみ。
ちいさなお城、
ミニカーのように乗れる列車、
4人乗りのメリーゴーランド
みたいなものもあった。



そのなかでも、
いちばん好きだったアクティビティが
トランポリンだ!
15分100円で、とびはね放題。
ムチャしてケガなどしないよう、
おじさんがついて見ていてくれる。



私たちは、
トランポリンのヘビーユーザー。
クツを脱ぎ、くつ下を履いたままで
トランポリンに着地すると、
フワッと足に感覚が伝わる。
見える景色が方角で違うのも
おもしろかった。
東には、
駅と駅直結のショッピングセンター。
西には、
自分たちの住む家や、
従兄弟の住むマンション。
南は、スーパーの階下から
上がってくる階段や屋根で
あまり遠くまで見えない。
北は、
スーパーの空調の室外機だらけで、
空しか見えなかったけれど。




ピョンピョン、とんで、はねて、
くるっと90°、180°、
ときには思いきって360°一回転!
おしりで着地して立ち上がったり、
ひざをついてみる。
トランポリンチャンピオン気取り♪



あっという間の15分!
時間がきて、現実の世界に戻る。
まず、地面でクツを履いたときの
足の裏の感覚がおもしろかった。
フワフワして、おちつかなくて、
雲の上でさんざん遊んだあとも
足の裏はきっとこうなる、
と思ってた。




そんなある日、
例によって、私たちは
プチ遊園地のトランポリンで遊ぼうと、
大型スーパーの屋上にやって来た。
親からあずかった、
大切な100円玉を握りしめて。
一緒にいた女の子は、
妹だったか友だちだったか
忘れちゃったけれど、
少し引っ込み思案な子だったと思う。

トランポリンでは、
小学生の男の子達が遊んでいて、
「おにいさん(年上)だ…」と
圧倒されて見ていた記憶がある。
でも、一体、おにいさん達の
何に圧倒されていたのかは、
よくわからないけれど。
多分、年が上ってことだと思う。



トランポリンの制限時間15分は、
タイマーでジリリリと鐘が鳴るシステム。
先払いのため延長追加料金はなく、
(30分で200円渡すとかはアリだった)
次に待つ子達と交代して、
またやりたければ並んで待つ。
彼らはずいぶんと多く、
お金を払っているのだろう。
15分100円のはずが、かなり待ちぼうけ。
屋上に来て、
トランポリンに並んでから
30分以上。
でも、見守りのおじさんが
声をかけないから、まだ。仕方ない。
大人しく待つことにした。




すると、一緒にいた子が気付いた。
「あの子たち、ズルしてるよ」と。
見てみると、
確かに、制限時間が近付くと、
男の子のうちの一人が
おじさんの目をぬすんで、
タイマーをいじくり、
時間を勝手に延ばしているではないか!




おじさーん!何してんの(笑)




「あぁ、またやった!」
一緒にいた子が遊べないのも
かわいそうだ。
私は勇気を出して、
おじさんに言いに行った。
何て言ったかは覚えていないけれど、
男の子達が、タイマーをさわってた、
くらいの言葉だと思う。
そのあとは、おじさんがずーっと
男の子達を見張ってくれていたので、
あえなく(というか、やっと)
タイムオーバー。
男の子達が出てくるとき、
おじさんが何か言っていたかも。




私は私で、
おじさんに話しかけているところを、
男の子達に見られていたのだと思う。
トランポリンから出てきて
去っていく男の子達のうちの一人が、
着てきたと思われる上着を持って、
私の顔面の前で、

バサッ!

って上着をたたきつけていった。
そのときの男の子の顔は、
メチャクチャ恐かった。




チビるかと思った(笑)




順番がきて、私たちは、
ルールを守って遊んだ。
けれど、心から楽しめなかったし、
なんだか後味がわるい。


正しいと思ってとった行動だけれど、
男の子達にとっては、とんだジャマ。
でも、世間では、
ルールを守らないといけない局面
ってあるし、
ええ加減にせえよ、と
ちょっとツッコミを入れただけのこと。




正義は正義なだけ。
ただ、心にもっていて、
ときにはゆずることもあるけれど、
自分を信じてつらぬくもの。




勝ち負けじゃない。
いくら
自分は「正しい」と思っていても、
時や場合によっては、
その思いが残酷であったりもする。
だから、他者に押し付けたり、
正当化したくない。
正しいことがいいこととも限らない。
正義とか正義感なんてものは、
自分の心のよりどころのように
とどめておきたい。




そんな私も大人になって、
〆切ギリギリ、寝坊、遅刻、
いろいろぶちかましておりますゆえ、
正義もヘッタクレもないけどネ。
それでも、あの男の子達に言いたい!



こわかったぞ、バーカ!



上着バサッ!じゃねぇよ。




くつ下、右と左で間違えて履いて
親指の穴が開いてしまえ!(笑)

愛のだいじょうぶし

いい事だけがハッピー? 頑張ったから報われる? そんなブログを書いています

2コメント

  • 1000 / 1000

  • .*☆ユッキ☆ *.

    2017.08.19 23:55

    @美樹生コメントありがとうございます! うちも東京の田舎で、もしかしたら治安というか環境もあるかもしれませんが。 悪知恵はたぶん、物心ついて善悪の判断ができるようになると、始まると思います。子どもって体が発達中の大人だと思うので(^-^; でも、本当、歳を重ねるごとに、誰かの掲げた正義が何かを脅かすなぁと感じます。
  • 美樹生

    2017.08.19 19:36

    こんな幼い頃から悪知恵が働いてしまうものなんですね…田舎者の僕にはある意味凄いなぁーと感心させられてしまいました…進んでいると言うのか悪知恵でも知恵が働く時期が早いというか環境がそうさせると言うのか⁇…。全て幼少期から形成される人間性は大事な事なんだと改めて感じました。 長文、失礼いたしました 🙇